マテリアカラーチャート解剖!プロが明かす高発色と濁りなき調合術
マテリア カラー チャートを前にしたとき、サロンのバックヤードには特有の緊張感が漂う。タカラベルモント株式会社が擁するヘアコスメティックブランド「ルベル(LebeL)」の旗艦ラインとして、現場のシビアな美意識を支え続けてきたマテリア(MATERIA)。単なる色見本の集成ではない。毛髪内部のメラニン構造と光の屈折率を徹底的に計算し尽くしたこのツールは、髪のキャンバスに狙い通りの彩度と明度を描き出すための精密な設計図だ。
日々進化を続ける美容サロン業界において、多くのトップスタイリストが手放さないマテリア カラー チャートは、薬剤選定における直感と論理を繋ぐ架け橋となっている。酸化染毛剤(第1剤・第2剤)の化学反応を完全に手中に収め、狙った通りの透明感を引き出すには、チャートが示す色相環の奥に隠された「発色の物理」を理解しなければならない。
液晶クリームベース技術(WOW構造)がもたらす芯からのクリア発色
マテリアの圧倒的な発色力を支えている心臓部が、ルベル独自の「液晶クリームベース技術(WOW構造:Water-in-Oil-in-Water)」だ。一般的なヘアカラー剤では、アルカリと染料が混然一体となって毛髪へ浸透するため、キューティクルへの負荷が高く、染料が均一に定着しにくい弱点があった。マテリアはこの構造を根本から再構築している。
水と油が幾重にも重なり合うカプセル状のラメラ液晶構造が、染料とアルカリを効率的に包み込む。毛髪内部へスムーズに浸透した瞬間、アルカリが速やかに作用して脱色を行い、時間差でクリアな染料がコルテックスの奥深くまで行き渡る仕組みだ。これにより、従来の酸化染毛剤にありがちだった濁りやパサつきを大幅に抑制。髪の内側から光を放つような透明感と、色持ちの良さを同時に実現している。
マテリア・マテリアG・マテリアμの違いを読み解くシリーズ別特性
ルベルのカラーシステムを使いこなす上で欠かせないのが、マテリア、マテリアG、マテリアμ(MATERIA Mew)の3つの異なるアプローチの把握だ。それぞれが明確な目的を持ち、サロン現場の多様な顧客ニーズに対応する。
基本となる「マテリア」は、鮮烈な彩度と高いリフト力を誇るファッションカラー。アンダーの赤みを削りながらピュアな色みを表現する力に長けている。一方、「マテリアG」は大人世代の髪密度低下やメラニン減少に着目したグレイカラー(白髪染め)ラインだ。白髪浮きを防ぐ濃厚なブラウンベースを備えつつ、濁りのないクリアな色調をキープする。そして「マテリアμ」は、既染部へのダメージを最小限に抑える微アルカリ・ノンリフト処方。過度な負担をかけずに色みだけを美しく補給できるため、カラー頻度の高い顧客へのケア施術に欠かせない。
徹底解剖!透明感と高発色を両立する配合比率とトーン選定の裏技
顧客が求める「くすみのない透明感」と「鮮やかな高発色」。この相反する要素を同時に成立させるためには、マテリア カラー チャートの特性を活かした独自の配合ロジックが必要となる。プロが現場で実践する黄金比率の要は、第1剤と第2剤(オキシドール)の濃度選定とアンダートーン補正の組み合わせにある。
新生部に対してクリアなリフトと発色を求める場合、ベースのトーンに応じたオキシ濃度(6%または加減圧ブレンド)の設定が基本だ。しかし、最も差がつくのは補色(コントロールカラー)の微量添加である。日本人の髪特有の赤みやオレンジみをキャンセルする際、チャート上のアッシュ(A)やマット(M)を単体で使うのではなく、あえてバイオレット(V)やクリア(CL)を10〜20%ブレンドする。これにより、過度な沈み込みを防ぎながら光を透過させる絶妙な抜け感が生まれる。
トーン選定で失敗しないための裏技は、「希望色よりも半トーン上を狙い、彩度で深みを出す」アプローチだ。マテリアは染料の純度が高いため、明度を落としすぎると光を遮断してしまう。チャートに記載されたレベル表記を鵜呑みにせず、仕上がりの明度をワンランク高く設定した上で、高彩度ライン(プライマリーシェード)を重ねることで、室内では落ち着いた艶を、自然光の下では息をのむような高発色を見せる立体的なヘアカラーが完成する。
グレイカラーの常識を覆す!マテリアGで叶える白髪ぼかしとエイジングケア
「白髪を隠すために髪を暗く塗りつぶす」時代は完全に終焉を迎えた。マテリアGが提案するグレイカラーは、白髪を黒髪と同じトーンに染め上げるだけでなく、白髪そのものをハイライトのように活かして立体感を生み出す。
配合されたスキンケア発想の毛髪保護成分とリピッド成分が、年齢とともに細くパサつきやすくなったエイジング毛の内部密度を補修。しっかりとした染着力で白髪をカバーしながらも、根元の立ち上がりや艶やかな手触りを損なわない。ファッションカラー感覚で選べる豊富なシェード展開により、白髪ぼかしやフェイスフレーミングといった現代的なトレンドデザインにもシームレスに対応できる。
美容サロン業界の現場が証言するマテリアμを活用した既染部ケア戦略
現代のサロンワークにおいて、毛先の既染部をいかにダメージレスに保ちながら発色を維持するかは最大の課題だ。ここで真価を発揮するのが、美容師(ヘアスタイリスト)から絶大な信頼を集めるマテリアμである。
根元の新生部にはアルカリ濃度の高いマテリアやマテリアGを使用し、すでにトーンアップされている中間から毛先にはマテリアμを塗布する「リフト&ティントの塗り分け戦略」。マテリアμはキューティクルを無理に開かせることなく、液晶ベースの力で染料を吸着させるため、繰り返しのカラー施術でも髪のしなやかさが失われない。サロンの失客を防ぎ、次回来店時まで美しいコンディションをキープするための強力な武器となっている。
失敗しない施術のために:アンダーレベルの見極めとプロの薬剤コントロール
マテリアのポテンシャルを100%引き出すための最後の鍵は、施術前のドライ状態におけるアンダーレベル(メラニン残留量)の精密な見極めだ。光の加減やダメージ履歴によって、毛髪が持つ潜在的な黄み・赤みは大きく異なる。
カラーチャートを過信するあまり、目の前の毛髪の状態を無視した配合を行えば、思わぬ沈み込みや色ブレを引き起こす。薬剤を塗布するスピード、コーミングによるテンションの均一性、そして放置時間の厳密なタイムコントロール。すべてのプロセスが緻密に組み合わさって初めて、マテリアが約束する極上の発色と質感が髪の上に宿る。科学的な理解と職人技の融合こそが、サロンカラーの真骨頂である。 (出典: マテリア カラー チャート(Yahoo!ニュース))